「痛くて辛い」から「自分の体は無理してたんだな」と言えるまでの道のり-カイロプラクティック哲学の実践記録 Vol.2-

こんにちは。

塩川スクール哲学教室 講師の関野です。

これから、哲学を患者様と共有することによって得られた体験や、実践の記録をシリーズにして配信してまいります。

カイロプラクティックは座学で学んで終わりではなく、実践して初めて本当の知識。そして財産へとつながっていきます。

本日は、腰の痛みで歩くこともつらかった患者様が、少しずつご自身の体を理解し、
自分の体を大切にできるようになっていったお話です。

最初は、痛みをどうにかしてほしいという思いで来院された方でした。

それが、体の変化を経験する中で、ある言葉を口にされるようになりました。

「自分の体、無理してたんだな」

この言葉が出てくるまでに、どんな道のりがあったのでしょうか。

 

痛みが強いとき、人は自分の体と向き合えない

 

腰の痛みで、歩くのもつらい状態で来院された方がいました。

家の中でも支えが必要な時期があり、脚のしびれの感覚もなかなか変わらない。

藁をもすがる思いで、ご来院されたのだと思います。

そんな状態の方に、いきなり「自分の体と向き合いましょう」と言っても、なかなか難しいものです。

痛みが強いときは、前向きなことを考える余裕がなくなってしまいます。

 

「これから健康に生きていこう」

「自分の体を大切にしよう」

 

そう思おうとしても、まずはこの痛みをどうにかしてほしい。

それが、自然な気持ちではないでしょうか。

私自身も、痛みのど真ん中にいる方に、哲学の話を積極的にはできません。

 

それは、かえってその方を追い詰めてしまうことがあるからです。

物事には、すべてタイミングがあります。

だから最初は、ただ体を診ていました。

検査を通じて体の状態を知り、必要なアジャストメントを行う。

その方が少しでも日常生活を取り戻していけるように、まずは目の前の体と向き合っていきました。

 

少しずつ、言葉が変わっていった

 

通われるうちに、その方の体に変化が現れてきました。

そして、体の変化とともに、少しずつ言葉も変わっていったのです。

最初は、

「なんでこんなことになったんだ」

「私だけなんでこんな目に」

「家族のみんなに申し訳ない」

という言葉が多かったように感じます。

 

痛みがあると、誰でも自分の外に原因を探したくなります。

仕事のせいなのか。

年齢のせいなのか。

何か悪いことをしてしまったのか。

自分ではどうしようもないことなのか。

そうした思いが、頭の中を巡ってしまうこともあるでしょう。

でも、体が少しずつ変わってくると、その方の言葉に変化が現れました。

あるとき、こんな言葉を口にされたのです。

 

「自分の体、無理してたんだな」

そして、もう一つ。

「痛みにも原因があるんですね」

 

この2つの言葉を聞いたとき、私はとても嬉しくなりました。

痛みをただの敵として見るのではなく、自分の体に起きていることとして受け止められるようになった。

その変化を感じたからです。

 

何が変わったのか

 

痛みがあるとき、私たちはどうしても、その原因を外に探してしまいます。

・仕事が悪い。
・年齢が悪い。
・枕やマットレスが悪い。
・運が悪かった。

もちろん、生活環境や仕事の負担などが体に影響することはあります。

だからこそ、それらを見直すことも大切です。

ただ、外にあるものを変えることばかりに目が向いてしまうと、
自分の体が何を感じているのかに気づきにくくなることがあります。

その方は、少しずつそのサイクルから抜け出していきました。

外の何かを変えることだけではなく、自分の体に目を向けるようになったのです。

「今、自分の体はどういう状態なんだろう」

「何が負担になっているんだろう」

「この痛みは、何を教えてくれているんだろう」

そうやって自分の体を理解しようとすることが、少しずつ始まっていきました。

 

痛みを薬で抑えることについて

 

ここで、誤解のないようにお伝えしておきたいことがあります。

私は、痛みを薬で抑えることを否定していません。

必要な場面はあります。

痛みが強すぎて動けないとき、眠れないとき、日常生活が成り立たないとき。

痛みを和らげることは、必要な場面があります。

 

ただ、症状を抑えることだけを繰り返していると、体の状態を知る機会が少なくなってしまうこともあります。

症状がなくなったことと、体の問題がすべて解決したことは、必ずしも同じではありません。

だからこそ、痛みが落ち着いたあとに、自分の体の状態を知り、これからどう付き合っていくかを考えることが大切なのです。

カイロプラクティックでは、症状だけを見るのではなく、体が本来持っている働きに目を向けます。

その方も、少しずつ体の変化を感じられるようになり、ご自身の体を理解することにつながっていきました。

 

自分の体を大切にする習慣が身につく

体と向き合えるようになると、日常生活の中でも変化が起こります。

例えば、

「少し無理をしているな」

と感じたときに、以前より早く休むようになる。

「体が固まってきたな」

と感じたときに、少し動いてみる。

「今日はいつもと違うな」

と感じたときに、何があったのかを振り返ってみる。

 

こうした小さな気づきが、自分の体を大切にする習慣につながっていきます。

痛みやつらさを、ただ我慢する。

あるいは、なかったことにする。

そうではなく、体の変化を知り、必要なときに休んだり、動いたり、誰かに相談したりする。

その選択ができるようになることが大切なのだと思います。

反対に、すべてを外のせいにする必要もありません。

自分の体を知り、今できることを自ら選択していく。

その積み重ねが、自分の体への信頼につながっていきます。

 

自分の体を好きになるということ

今回の患者様を見ていて、私は一つのことを教えていただきました。

自分の体を好きになるというのは、最初から好きになろうと決めることではないのかもしれません。

自分の体のことが、少しずつ分かるようになる。

・体がどんなときに反応するのか。
・何をすると楽になるのか。
・どんなときに無理をしているのか。

そうしたことが分かってくると、自分の体を大切にしたくなる。

「もっと自分の体を大事にしてあげよう」

そんな気持ちが、自然に生まれてくることがあります。

それは、今回の患者様が教えてくださったことでした。

 

あなたは、痛みが出たときに何を考えますか?

痛みが出たときに何を考えますか。

「早く消えてほしい」

まずは、そう思うのではないでしょうか。

それは、とても自然なことです。

私も、もし痛みがあれば、まずは楽になりたいと思います。

でも、もしそのあとに一つだけ問いかけを足せるとしたら。

「この症状は、私に何を教えてくれているんだろう」

すぐに答えが出なくても構いません。

その問いかけを持つだけで、自分の体に目を向けるきっかけになります。

・体の変化に気づく。
・自分の状態を知る。
・必要なときに休む。
・必要なときに相談する。

そうした小さな行動が、自分の体を大切にすることにつながっていきます。

 

あなたの体は、ずっとあなたの味方です

痛みがあるとき、体を敵のように感じてしまうことがあります。

・思うように動かない。
・やりたいことができない。
・以前できていたことが、できなくなってしまった。

でも、あなたの体は、今この瞬間も、あなたの味方です。

痛みや症状があるときも、体はその状態の中で、生命を維持しようとしています。

その体と、少しずつ関係を築いていく。

体の声に耳を傾け、自分に必要なことを選んでいく。

その先に、自分の体を信じられるようになる未来があるのだと思います。

今回の患者様が、痛みの中から少しずつご自身の体を理解し、
そして自分の体を大切にできるようになっていったように。

あなたにも、今日からできることがあります。

まずは、自分の体に問いかけてみてください。

「今、私の体はどんな状態なんだろう」

あなたの体は、ずっとあなたの味方です。

カイロプラクティック哲学の実践記録 Vol.2

関野 貴友

執筆者関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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