院の継続率は今月の数字では出せません|分母を動かさない【第3章 #7】

「4回目の壁を越えたか」「10回で定着したか」

こういう話をするとき、たいてい今月の数字を見ます。ですが、今月の数字では分かりません。

今月初診の方が10回目に来るのは、2〜3ヶ月先です。

今月の分子を、今月の分母で割ってはいけません

よくある計算はこうです。「今月、10回目に来た人が4人。今月の新患が10人。だから40%」

ですが、この4人と10人は別の集団です。10回目に来た4人は、2〜3ヶ月前に初診だった方です。

分子と分母が別の集団だと、出た数字は何も意味しません。

初診の月で、集団を作ります

初診の月で、集団を作ります。分母は、ずっと動かしません。

やり方は単純です。初診の月ごとに1枚、名簿を作ります。

4月に初診だった方が10人いたら、その10人を1枚に書く。そして、その10人を追いかけます。

追いかける区間は、4つです。区間ごとに、確定する時期が違います。同じ月にそろうことはありませんし、そろわないのが正常です。

分母は、ずっと「4月の初診者10人」です。ここを動かしません。

まとめたくもなります。「4月と5月を1枚にすれば安定する」というふうに。まとめると、その月に何をしたかと、結果が結びつかなくなります。

1枚は、1つの初診月のままにしてください。

分母を動かすと、比べられなくなります

通過率の分母を、途中で変えたくなります。「2ヶ月目の数字は、1ヶ月目を完走した人の中で見たい」というふうに。

変えると、通過率どうしを比べられなくなります。どこがいちばん漏れているかが分からなくなる、ということです。

分母を固定したまま、割り算のほうを組み替えれば、区間ごとの通過率が出ます。

そして通過率がいちばん低い区間が、いちばん大きな穴です。

埋めるタイミングを、逃さない

あとから記憶では埋められません。その場で書いてください。

この名簿は、あとから記憶で埋められません。

とくに「初めて次の間隔へ進んだ日」は、その場でしか分かりません。予約を取ったその場で書く。

受付がいる院なら受付が、ひとりの院なら先生が。それだけです。

遡って埋めないでください。記憶で埋めた数字は、以降の判断をすべて狂わせます。

はじめは、空欄だらけです

はじめは、空欄だらけです。確定していないものは、確定していない。

はじめの月に出せるのは、いちばん手前の区間だけです。それより右は、全部空欄です。

これは遅れているのではありません。確定していないものは、確定していないからです。

しばらく続けると、1枚が全部埋まります。そこから先は、毎月1枚ずつ完成していきます。

そして、人の評価には使わないでください

いちばん手前の区間は、初診を担当した人に直接ひもづきます。ですから、スタッフのいる院では評価に使いたくなります。

ひとりの院では、自分の出来を採点したくなります。

使った瞬間、無理にでも来院させる動機が生まれます。そして測りたかったものが測れなくなります。

見るのは、院全体の集団です。誰が悪いかではなく、どの場面で関係が切れているか。それが分かれば、打ち手も決まります。

次に読む:シリーズ 21 / 30

▶ リピート回数の平均は患者構成で決まる|下がった意味の読み方【第3章 #8】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

先生の院は、どの区間でいちばん落ちていますか。

この記事でお伝えしたのは、分母を動かさないという原則と、集団の作り方、埋めるタイミングまでです。

区間ごとに、いつ確定するのかは書いていません。

区間が4つそろうと、いちばん低い1つが見えます。そこまでが、ご自分で出せるところです。

その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。

INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。

そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、4つの区間がそろい、いちばん低い1つが見えます。どこで落ちているかが1か所に決まるので、次に何を直すかで迷わなくなります。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。

数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。

 INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンの募集ページは、現在制作中です。準備ができ次第、ご案内します。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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