集客しても院が大きくならない理由|入口と出口を数える【第2章 #1】

新患が毎月しっかり来ている。広告も出している。それなのに、院の規模が去年とほとんど変わらない。院の経営で、最も多い行き詰まり方です。
原因は、たいてい集客ではありません。ここを取り違えたまま集客に投資を続けると、費用だけが増えていきます。
院は、バケツと同じ形をしています

入口だけを数えると、こうなります。新患8人、来なくなった方8人。増えた人数はゼロです。
バケツを思い浮かべてください。上から水が注がれ、底の穴から漏れていきます。
注いでいるのは、新患です。紹介、広告、看板、SNS。漏れているのは、来なくなった方です。
バケツに溜まっている量が、いま関わっている患者様の数になります。増えるかどうかは、注ぐ量と漏れる量の差で決まります。
入口が月8人でも、出口が月8人なら、1人も増えません。
多くの院が、注ぐ量だけを数えています。漏れる量を数えている院は、ほとんどありません。
理由1:入口と出口を、別々に数えていない
新患の数は答えられても、来なくなった方の数は、ほとんどの院が答えられません。

人数には、2つの方向があります。増やす入口と、減らさない出口。
新患の数は、たいていの院が把握しています。では、その月に来なくなった方の数を把握している院は、どれくらいあるでしょうか。
患者数の増減は、入口と出口の差で決まります。入口が月8人でも出口が月9人なら、院は縮小します。
集客が成功していても、同じだけ出ていっていれば、数字の上では何も起きていないのと同じです。
新患は来ているのに院の規模が変わらない、という相談はとても多いのですが、原因はたいてい集客ではありません。
理由2:値引きで、穴を塞ごうとしている
数字が落ちた月に、キャンペーンや割引を打つ。その月の数字は上がります。ここに落とし穴があります。
値引きは、穴にバンドエイドを貼るようなものです。時間が経てば剥がれます。しかも、割引にだけ反応する層を呼び込むことになります。
この層は、次に安いところができれば、そちらへ移ります。
結果として、来院数は一時的に増えても、一人あたりの生涯価値は下がります。穴は塞がっていないので、翌月にはまた同じことが起きます。
理由3:単月の数字で判断している
これが最も見落とされます。
月ごとの数字は、想像以上に動きます。同じ人が、同じやり方で診ていても、最も低い月と高い月で40ポイント以上違っていた例があります。
母数が小さいほど、偶然の影響が大きくなります。
単月で判断すると、良い月には「うまくいっている」と考えて手を打たず、悪い月には慌てて方針を変えます。
結果として施策が毎月入れ替わり、何も定着しません。判断は3ヶ月ならしで行う。3ヶ月移動平均とも言います。これだけで、意思決定は安定します。
では、何から手をつけるか

順番を逆にしないでください。まず出口を数え、閉じてから、入口を開けます。
順番があります。
多くの院では、離脱を数ポイント下げるほうが、集客を倍にするより速く結果が出ます。しかも費用がかかりません。
ただし、自分の院がどの順番で手をつけるべきかは、自分の院の数字を見ないと決まりません。
必要なのは、システムではなく数え方

出口は、3つの数字だけで出ます。カルテと予約帳があれば足ります。
そのために新しいシステムが必要かというと、そうではありません。数えるのは、ごく少ない項目です。カルテと予約帳があれば足ります。
道具は何でも構いません。大事なのは、毎月同じ定義で数え続けることです。
数字を「管理」ではなく「診断」に使う

数字を、理念の反対側に置かない。施術の原理と、経営の原理を同じにします。
最後に一つ。数字を目標として上から与えると、現場は数字を作りにいきます。カルテの締め方が変わり、来なくなった方の扱いが都合よく動きます。
そうなると、数字は測りたかったものを測れなくなります。
数字は、次に何をすべきかを教えてくれる診断結果として使う。この位置づけを最初に決めておくことが、実は最も大きな分かれ目になります。
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▶ 院の売上を3つに割る|人数・単価・リピート回数の読み方【第2章 #2】
この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで
先月、先生の院で何人の方が来なくなりましたか。
この記事でお伝えしたのは、入口と出口を別々に数えるという考え方までです。実際にどう数えるのかは書いていません。
出口を数えるには、先に決めることが4つあります。そこを決めないまま数えると、月ごとに違うものを測ることになります。
その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。
INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。
そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。
3ヶ月目、先生は「先月、何人が来なくなったか」に即答できるようになります。いま、この問いに答えられる院は、ほとんどありません。
答えられるようになった時点で、集客の判断そのものが変わります。
3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。
来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。
まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。
それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。
そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。
