【第3回】椎間板を徹底理解!線維輪とは?

みなさん、ここまで読んできてどうでしたか?

難しいな、、、と正直に思った方もいるかと思います。

もうちょっとです。頑張っていきましょう!

まずは前回の復習として、椎間板の構造と、その核である「髄核」について学びました。

そして今回は、その核を支える「繊維輪」についてお話ししていきます!!

椎間板の構造を理解することは臨床において非常に重要ですし、活きてきます。

アウトプットすることを前提として読んでみてください!

髄核が外へ広がらないように支える組織

前回は、椎間板の中心にある「髄核」について解説しました。

髄核は水分を多く含んでおり、上下から圧力が加わると、その力を周囲へ分散します。

では、圧力を受けた髄核が外側へ広がろうとしたとき、何がそれを支えているのでしょうか?

その役割を担っているのが、髄核の周囲にある線維輪です!

線維輪はどこにあるのか?

椎間板は、大きく分けると2つの部分でできています。

・中心にある髄核

・髄核の周囲を囲む線維輪

線維輪は、髄核を外側から包むように存在しています。

しかし、一枚の薄い膜で髄核を包んでいるわけではありません。

線維輪は、コラーゲン線維でできた丈夫な層が、何層にも重なった構造をしています。

イメージとしては、髄核の周りにバームクーヘンが何重にも巻かれているような状態です。

線維輪の役割とは?

線維輪の最も重要な役割は、髄核が外側へ広がろうとする力を受け止めることです。

椎間板に上から身体の重さが加わると、中心にある髄核は圧縮されます。

すると髄核は、上下につぶれるだけではなく、外側へ広がろうとします。

その力を、周囲にある線維輪が受け止めます。

流れを簡単に整理すると、次のようになります。

①椎間板に上から力が加わる

②髄核が圧縮される

③髄核が外側へ広がろうとする

④線維輪が引き伸ばされる

⑤線維輪の張力によって椎間板の形が保たれる

つまり髄核が圧力を分散し、線維輪がその広がりを外側から支えているのです。

水の入った風船で考えてみよう

髄核と線維輪の関係は、水の入った風船をイメージすると分かりやすくなります。

水の入った風船を上から押すと、中の水はなくなりません。押された水は周囲へ広がろうとし、風船のゴムを内側から押します。

このとき、「中の水に近い役割」が髄核、「外側のゴムに近い役割」が線維輪です。

ただし、実際の線維輪は一枚のゴムではありません。

丈夫なコラーゲン線維が何層にも重なっており、髄核から加わる力を受け止めています。

この構造によって、椎間板は簡単につぶれたり横へ広がりすぎたりしないように保たれています。

線維輪は何層にも重なっている

線維輪を構成する一つひとつのバームクーヘンの様な層は、「線維輪板」または「ラメラ」と呼ばれます。

特徴的なのは、隣り合う層でコラーゲン線維が走る方向が異なることです。

ある層の線維が右斜め方向に走っていると、その隣の層では左斜め方向に走っています。

このように、異なる方向へ走る線維が交互に重なることで、前後左右への動きや、ひねる動きに対応しています。

一方向だけに線維が並んでいるよりも、複数の方向から加わる力を支えやすい構造になっているのです。

椎間板はひねる動作に弱い?

線維輪は回旋にも対応できる構造をしていますが、ひねったときに、すべての線維が同時に働くわけではありません。

身体を一方向へひねると、その方向に対応する一部の線維は引き伸ばされますが、反対方向に走る線維は緩みます。

つまり、回旋時には一部の線維に負担が集中しやすくなります。

さらに、前に曲げる動きや圧縮が加わった状態で強くひねると、線維輪に複数の力が同時に加わります。

この構造が、椎間板が回旋による負荷に弱い理由の一つです。

詳しい仕組みは、第6回の記事で解説します。

線維輪は椎骨同士をつないでいる

線維輪には髄核を支えるだけでなく、上下の椎体をつなぐ役割もあります。

線維輪の外側は上下の椎体にしっかりと付着しています。

そのため、椎骨と椎骨の間に動きを許しながら、過剰に動きすぎないようにコントロールし支えてくれているのです。

線維輪がまったく動かない硬い組織であれば、脊柱は滑らかに動けません。

反対に、柔らかすぎれば髄核を支えられず、椎骨同士も不安定になります。

線維輪には、

・身体の動きに合わせて変形する柔軟性

・髄核と椎骨を支える強さ

この両方が必要なのです。

身体を動かした時、線維輪はどうなっている?

身体を前に曲げる(前屈)と、椎間板の前側は圧縮され後ろ側の線維輪は引き伸ばされます。

反対に身体を後ろへ反らす(伸展)と、後ろ側が圧縮され前側の線維輪が引き伸ばされます。

身体を横へ倒した場合(側屈)も、倒した側は圧縮され反対側の線維輪が引き伸ばされます。

このように線維輪は、姿勢に連動して縮んだり引き伸ばされたりしています。

一つの動作だけで簡単に壊れる組織ではありませんが、強い力や同じ方向への負荷が繰り返されると、一部の線維に負担が集中する可能性があります。

そのため、同じ姿勢で繰り返すトレーニングや、同じ姿勢が続くデスクワークなどの仕事は椎間板に負荷がかかりやすいのです!

線維輪が傷つくとどうなるのか?

線維輪に強い負荷や繰り返しの負荷が加わると、コラーゲン線維に小さな損傷や亀裂が生じる場合があります。

損傷が進むと、髄核を外側から支える力も低下します。

すると、椎間板全体で力を分散する仕組みが変化し、特定の部分に負担が集中しやすくなる可能性があります。

ただし、線維輪に変化があるからといって、必ず痛みが出るわけではありません。

画像上で椎間板の変化が見つかっても症状がない人もいます。そのため、画像だけで痛みの原因を断定せず、神経、関節、筋肉、炎症、身体の動きなどを含めて考える必要があります。

髄核と線維輪はセットで働く

髄核と線維輪は、別々で成り立っているわけではありません。

・髄核は、圧縮力を周囲へ分散する

・線維輪は、髄核が広がろうとする力を受け止める

この2つが協力することで、椎間板は身体の重さを支えながら、脊柱の動きを可能にしています。

髄核と線維輪が一体となって働くことで、椎間板の「支える力」と「動ける柔軟性」を担保しているのです!

まとめ

線維輪は、髄核の周囲を何層にもわたって取り囲む丈夫な組織です。

主な役割は次のとおりです。

・髄核が外側へ広がろうとする力を受け止める

・椎間板の形を保つ

・上下の椎骨をつなぐ

・椎骨が動きすぎないように支える

・伸展・屈曲・回旋など、さまざまな方向の力に対応する

この役割を理解することが、椎間板の構造と働きを理解するための重要なポイントです。

次回は、椎間板と椎体の境界にある軟骨終板とは何かについて解説します!

高島 克哉

執筆者高島 克哉

神奈川県川崎市出身。
横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。
様々な治療法を模索し多くの講習会に参加している中で塩川雅士D.C.の記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックに出会う。
その後塩川カイロプラクティックで塩川満章D.C.、塩川雅士D.C.のアシスタントを務めながらシオカワスクールで哲学・科学・芸術を学ぶ。現在は塩川カイロプラクティック副院長として臨床に励みながらシオカワスクール講師を担当し、正統なカイロプラクティックを全国に広めるべく活動をしている。

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