電子カルテなしで院の数字を出す方法|紙カルテと予約帳【第3章 #1】

「数字管理をやったほうがいいのは分かっているが、うちは電子カルテがないから」。治療院の経営相談で、いちばん多く聞く言葉です。

結論から言うと、要りません。紙のカルテと、予約帳と、レジの日計表。この3つがあれば、毎月の数字は出せます。

しかも、手で数える項目はごく少しです。この記事では、その3つをどう使って数えるかだけをお話しします。

数えたものを紙1枚にどう書き留め、書いたあとどう確かめるかは、「治療院の数字管理は紙1枚でできる|毎月15分でそろう手順」のほうでお話しします。

数えるのはごく少数。あとは全部そこから計算できます

「うちは電子カルテがないので」。いちばん多く聞く言葉です。ですが、要りません。

そして、数えた項目から次の数字が計算で出ます。一人あたりの来院回数、1回あたりの単価、一人あたりの月間売上、患者数の増減、そして来なくなった方の数。

つまり、数字を「集める」という仕事は、ここで終わります。あとは全部、計算で出てきます。

紙のカルテなら、空の箱をひとつ

紙の院に、いちばん確実な方法があります。月初に、空の箱をひとつ用意する。来院された方のカルテを、会計のあとその箱に入れる。

月末に箱の中身を数える。それが実人数です。翌月は箱を空にして始めます。

カルテを探し直す手間がありませんし、数え漏れも起きません。電子カルテの月次レポートより、むしろ定義がぶれにくいという利点もあります。

箱を数える作業だけなら、慣れれば15分ほどで終わります。

道具より、はるかに大事なこと

数字管理でつまずく原因は、たいてい道具ではありません。定義です。

先月と今月で「実人数」の数え方が違っていたら、その2つは比べられません。家族で1枚のカルテを共有している場合をどう数えるか。

数年ぶりに来られた方を新患に含めるか。回数券を売った月に計上するか、使った月に分けるか。

どれも、正解はありません。決めて、毎月同じにすることだけが条件です。

立派なシステムを入れても、こうした線引きが決まっていなければ、出てくる数字は毎月違うものを測っています。

逆に紙と鉛筆でも、線引きが固定されていれば、比べられる数字になります。

なお、数えたあとには、数字どうしの辻褄が合っているかを確かめる手順があります。

これは様式のほうの話になりますので、「治療院の数字管理は紙1枚でできる|毎月15分でそろう手順」でお話しします。

最初の3ヶ月は、数字を良くしようとしない

最初の3ヶ月は、数字を良くしない。最後に、いちばん大事なことを書きます。

数え始めて最初の3ヶ月は、数字を良くしようとしないでください。同じ定義で3回数えられること。それだけを目標にしてください。

理由は単純です。定義が固まらないうちに数字を良くしようとすると、動くのは数字ではなく、数え方のほうだからです。

カルテの締め方が変わり、来なくなった方の扱いが都合よく動きます。そうなると、数字は測りたかったものを測れなくなります。

そして比べる相手は、他院でも目標でもなく、自院の3ヶ月前です。数え始めたばかりの院には、その3ヶ月前が、まだありません。

ですから最初の3ヶ月は、道具と数え方を固める期間だと思ってください。

数字は成績表ではなく、次に何をすべきかを教えてくれる診断結果です。

この位置づけを最初に決めておくことが、実はいちばん大きな分かれ目になります。

次に読む:シリーズ 15 / 30

▶ 院の数字が合わない原因は数え方|定義を決める4つの項目【第3章 #2】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

道具はそろいました。では、何を、どの欄に書きますか。

この記事でお伝えしたのは、道具の話までです。何をどの定義で数えるのか、書いたあとどう確かめるのかは書いていません。

道具が同じでも、数え方が月ごとに変われば、その2ヶ月は比べられません。

その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。

INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。

そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、紙カルテと予約帳だけで、先生の院の数字が3ヶ月分そろいます。システムを入れ替える必要はありません。

いま院にあるもので、そこまで行けます。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。

来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。
 INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンの募集ページは、現在制作中です。準備ができ次第、ご案内します。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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