リピート回数が減るのは失敗ではない|院の通過率で見る【第3章 #3】

先月と比べて、一人あたりの来院回数が減った。このとき、まず「リピートが落ちた」と考える方が多いと思います。ですが、そうとは限りません。

ケアの計画が、来院間隔を広げていく設計になっている場合、来院回数が減るのは正常な経過です。

計画どおりに進むと、回数は減ります

来院回数が減った:悪化したのではなく、良くなったから減っていることがあります。計画どおりに進むと、3ヶ月かけて4分の1になります。

たとえば、こういう計画があります。

時期 来院間隔 その月の来院回数
1ヶ月目 週1回 4回
2ヶ月目 月2回 2回
3ヶ月目以降 月1回 1回

同じ患者様で、3ヶ月かけて4分の1になります。悪化したのではなく、良くなったから減っています。

ところが院全体の平均を取ると、この2つが混ざります。

平均リピート数は、延べ来院回数を打って、実人数で割る。それだけです。この数字は、患者構成で決まります。

新患が多い月は上がり、間隔が広がった方が多い月は下がります。つまり、計画どおりに進めた院ほど、平均は下がって見えます。

「何回目」を節目にすると、読めなくなります

院全体の平均を取ると、混ざります。同じ「4回目」が、軽い方と重い方でまったく違う場面を指します。

もうひとつ、よくある誤解があります。「4回目の壁」「10回で定着する」という節目です。

来院の頻度は、状態によって変わります。軽い方は1ヶ月目に4回、重い方は12回来ます。

すると「4回目」は、軽い方にとっては1ヶ月の終わりで、重い方にとっては1週目の途中です。同じ回数が、まったく違う場面を指しています。

回数を節目にすると、患者様の状態が違うだけで数字がばらつきます。

それに、節目を院内の合言葉にすると、その回数に来てもらうこと自体が目的になります。4回目を越えた方への関心が、そこで切れてしまう院もあります。

見るのは、回数ではなく通過率です

通過点 見ていること
2回目に来たか 初診の説明が届いたか
1ヶ月目の予定回数を消化したか 本人と決めた計画どおりに来られたか
2ヶ月目に、1段階広げた間隔で通えたか 次の段階へ正しく進めたか
月1回の間隔に到達したか 保てる状態まで戻せたか

見るのは、回数ではなく通過率です。分母は、すべて同じにします。代わりに、時間で区切った通過点を見ます。

分母は、すべて同じにします。その月に初診で来た方の人数です。通過率の分母を動かすと、どこまで届いたかを比べられなくなります。

「区間」は別のもので、分母はひとつ前の関所です(R2 / RE÷R2 / RT÷RE / RM÷RT)。

この4つを並べると、どの場面で関係が切れているかが見えます。

初診の説明なのか、計画の伝え方なのか、間隔を広げる場面なのか。場所が分かれば、打ち手も決まります。

ひとつだけ、注意があります

回数が減ること自体は、成功です。

3番目の通過点「1段階広げた間隔で通えたか」を、来院回数の話と取り違えないでください。

来院回数が減ること自体は、成功です。ここを取り違えると、間隔を広げないほうが数字が良く見える、という逆の状態になります。

それから、これらの数字を人の評価に使わないでください。スタッフのいる院では、初診を担当した人に直接ひもづくので、評価に使いたくなります。

ひとりの院では、自分の出来を採点したくなります。ですが使った瞬間、無理にでも来院させる動機が生まれます。

測りたかったものが、測れなくなります。

次に読む:シリーズ 17 / 30

▶ 離脱率の計算式の落とし穴|丁寧な院ほど数字が悪くなる【第3章 #4】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

回数が減った。それは、良い減り方でしたか、悪い減り方でしたか。

この記事でお伝えしたのは、回数ではなく通過率で見るという考え方までです。区間の区切り方と数え方は書いていません。

同じ「減った」が、正反対の意味を持ちます。見分けるには、区間ごとに数える必要があります。

その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。

INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。

3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、区間ごとの通過率が並びます。「回数が減った」が、良い減り方なのか、悪い減り方なのか、見分けがつくようになります。

同じ数字を逆に読んでしまう事故が、なくなります。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。

来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。
 INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンの募集ページは、現在制作中です。準備ができ次第、ご案内します。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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