哲学に出会い、超ネガディブ思考から抜け出した患者様-哲学の実践vo.1-

こんにちは。
塩川スクール哲学教室 講師の関野です。
これから、哲学を患者様と共有することによって得られた体験や、実践の記録をシリーズにして配信してまいります。
カイロプラクティックは座学で学んで終わりではなく、実践して初めて本当の知識。そして財産へとつながっていきます。
本日は、とある「超ネガティブ思考」の患者様が、まるで別人のように変わっていったお話。
その方が取り戻したのは、痛みのない体だけではありませんでした。
自分の体を知り、自分のことを少しずつ信じられるようになった。
そして、以前は諦めていたことに、自ら挑戦するようになったのです。
初めて来院されたとき、私の顔を見られなかった
その患者様が初めて来院されたときのことを、今でも覚えています。
私の顔をなかなか見ることができませんでした。
こちらを向くと照れて言葉が出なくなってしまう。
そして、ご自身の体に自信がない。
以前通われていた整体で、体のことをいろいろと指摘された経験があり、
それによって自信をなくしてしまったとのことでした。
お話を伺っていると、こんな言葉が出てきました。
「もう年をとっているので……どうしようもありません。」
その言葉からは、体の不調だけでなく、ご自身の体やこれからの人生に対する諦めも感じられてしまうようにも思いました。
何もかもがネガティブになってしまう
その方が抱えていた悩みは、いくつかありました。
• 歩いていると左の足首が気になる。
• 右の肩が痛くなる。
• お腹の調子も悪くなる。
一つひとつは、日常生活の中で起こりうる体のことかもしれません。
しかし、それが日頃から重なってくると、気持ちまで落ち込んでしまう。
自分の体が思うようにならない。
できないことが増えていく。
そんな日々の積み重ねから、ご自身のことが嫌いになってしまったそうです。
お孫さんから、
「もう年寄りだから走れないよね」
と言われてしまったこともあり、半ば諦めてしまっていました。
ご本人も、
「全部ネガティブに捉えてしまうんです」
とおっしゃるほどでした。
体を指摘するのではなく、まずは話を聴く
私は、以前から患者様の体について、一方的に指摘することはしないと決めています。
もちろん、必要な説明や注意をお伝えすることはあります。
ただ、体のことをすべてこちらから決めつけてしまうと、ご自身で考えたり、
体の変化に気づいたりする機会が失われてしまうことがあるからです。
そもそも、その方の体のことは、その方が一番知っています。
私たちが、患者様のイネイトインテリジェンスを超えることはできないのです。
「あなたの体はこうなっています」
「これはこういう原因です」
そう言われ続けていると、いつの間にか、自分の体のことを自分で考える必要がなくなってしまうかもしれません。
だからこそ、私はその方に、こんな質問をしました。
「どういうときに、その痛みが出やすいですか?」
「楽な日はありますか?」
「その症状が出るとき、気持ちに何か傾向はありますか?」
そして
「ご自身の痛い場所や気になる箇所を本当に細かく把握されているんですね。素晴らしいです。」
すぐに答えを出すのではなく、まずはご自身の体について、一緒に考えていく。
そして、症状とも向き合っている事実をまずは承認する。
それが、私が大切にしていることですし、哲学を知っていただく第一歩であると感じています。
自分の体の傾向が、少しずつ分かってきた
通われるうちに、その方はご自身のことが少しずつ分かるようになっていきました。
・どういうときに、どういう反応が出るのか。
・どんな日に、つらくなりやすいのか。
・体の変化と日常生活の関係に、少しずつ気づいていったのです。
そして、気づいたことを意識して生活してみる。
すると、こんな報告をしてくださるようになりました。
「全然辛くなかったです」
「この間、少し意識してみたら体がすごく楽でした」
「こういう症状が出ているということは、今、自分はこんな状況なんだと思います」
以前は、体に何か起こると不安になっていた方です。
それが、自分の体の変化を、自分で考えられるようになってきました。
その変化は、言葉にも表れていました。
「自分の体のことが分かるようになってきて、少し自信がついてきた気がします」
この言葉を聞いたとき、私はとても嬉しく思いましたし、
もしこの考え方をこれから先ずっと携えることができたら。
私がどれだけ大きなことに関わらせていただけたのだろう。と非常に胸が熱くなりました。
「少し間隔を空けてもいいですか」
先日、その方から、こんな言葉をいただきました。
「少し間隔を空けてもいいですか」
施術の間隔を空けるのは非常にポジティブなことです。
ご本人にお伺いしても、施術が嫌になったからではありませんでした。
間を空けることで、自分の体と向き合う時間を作ってみたい。
そういう理由だったのです。
私は、この言葉を聞いて本当に嬉しくなりました。
なぜなら、私が目指しているカイロプラクティックは、患者様がいつでも私を必要とし続けることではないからです。
自分の体を知り、自分の変化に気づき、自分の人生を自分で選択していく。
そのためのサポートをすること。
そして、本当に必要なタイミングで、カイロプラクティックを活用していただくこと。
それが、私が大切にしているカイロプラクティックのあり方です。
「運動を始めてみたんです」
さらに、その方はこんな報告もしてくださいました。
「運動を始めてみたんです」
「しかもピラティス!」
私は驚きました。
以前は、
「走ることも運動することも、絶対にできないと思う」
とおっしゃっていた方です。
それが、ご自身でピラティスを始めたいと思い、すでに契約まで済ませて来院されたのです。
私は、運動を始めるようには、一回も提案をしたわけではありません。
その方自身が、体の変化を感じ、そろそろ運動を始めてもいいかなと思い、自らで決めて行動されたのです。
そして、満面の笑みでこうおっしゃいました。
「もしダメって言われたらどうしようって、ビクビクしてました」
そう言いながら、契約はもう済んでいる。
その様子が、本当に微笑ましかったです。
思わず、
「いく気満々じゃないですか!!!!」
と、私も喜びを共有しました。
その患者様の笑顔を見たとき、私は改めて思いました。
人は、自分の体のことが分かるようになると。自分で自分の体に責任が持てるようになると、
こんなにも変わることができるのだと。
その自信は、どこから来たのか
その方の自信は、私の言葉から来たものではありません。
自分の体のことが分かるようになったから、少しずつ生まれてきたものです。
分かると、予測できます。
予測できると、対処できます。
対処できると、怖くなくなります。
そして、その体の変化が、自分へのサインなのだと気づく。
そうすると、体に対する見方が変わっていきます。
以前は、痛みが出ると、
「また悪くなった」
「もう自分はダメだ」
と考えてしまっていた。
でも今は、
「今の自分の体は、こういう状態なんだな」
と、落ち着いて向き合えるようになってきた。
それは、単に症状がなくなったということ以上に、大きな変化だと思います。
自信とは、自分の体を読み解くことかもしれない
自信というと、生まれつきの性格や、何かに優れていることを思い浮かべるかもしれません。
しかし、今回の患者様を見ていて、私はこう考えるようになりました。
「自信とは、自分の体を読み解くことができるようになった状態のことかもしれない。」
自分の体がどういうときに反応するのか。
どんな変化が起こりやすいのか。
何をすると楽になるのか。
そうしたことが少しずつ分かってくると、体に対する不安が減っていきます。
そして、自分のことを信じられるようになっていく。
それは、誰かに与えてもらう自信ではありません。
自分自身の経験から生まれる、自分のための自信です。
あなたは、自分の体に自信がありますか?
あなたは、自分の体に自信がありますか?
もし「ない」と思われたなら、少し聞き方を変えてみたいと思います。
あなたは、自分の体のことをどれくらい知っていますか?
自信がないのは、あなたが弱いからではないです。
人は生まれながらにして、完璧に健康です。
自分の体のことを、まだ十分に知らないだけかもしれません。
体の変化に気づくこと。
自分の体の声に耳を傾けること。
そして、体のことを少しずつ理解していくこと。
それは、今日からでも始められます。
あなたの体は、今この瞬間も、あなたの味方をしています。
その体と一緒に、これからの人生を歩んでいきませんか。
