休眠患者に割引DMを送らないでください|院の掘り起こし方【第4章 #2】

患者数が減ってきた。何かしなければいけない。

このとき、いちばん手軽に見えるのが、来なくなった方への案内です。名簿はあります。連絡先も分かっています。広告費もかかりません。

だから多くの院が、こうします。「お久しぶりのお客様へ。今なら初回価格でご案内します」。

人数は、たしかに戻ります。ただ、そのあとが問題です。

割引で戻ってきた方は、割引で去っていきます

いちばん手軽に見える一手。人数は戻ります。問題は、そのあとです。

備考
初期集中期
移行期
価格で選ばれている方 ※ 追ってはいけない層
メンテナンス期
生涯ケア期

割引の案内に反応するのは、3番目の層です。

この層だけが、来院回数で定義されていません。回数ではなく、動機で決まる層だからです。

人数は増えます。でも、一人あたりの生涯価値は院の平均に届きません。そして次の割引が出るまで来ません。

つまり、人数のグラフは戻り、売上のグラフは戻らない、という結果になります。

では、どう声をかけるか

手段 反応 書き方・話し方の原則
手紙・はがき 最も高い 手書きの一言を入れる。売り込まない
電話 次に高い 体調を尋ねるだけ。予約を取ろうとしない
メール・LINE 最も低い 一斉配信は避ける。個別に送る

最後に来院してから3ヶ月以上経った方を、休眠患者と呼びます。ここへのアプローチは、新患を1人集めるより安く、成功率も高いです。

すでに信頼関係があるからです。

やり方に原則があります。

手紙がいちばん高いというのは、直感と逆かもしれません。ですが一斉配信されたものは、一斉配信されたものとして読まれます。

手書きの一言があるものは、自分に向けられたものとして読まれます。

文面の原則はひとつです。

来院を求めないこと。

「お変わりありませんか」「その後、お身体はいかがですか」で十分です。予約のお願いも、割引も、キャンペーンも入れません。

頻度は四半期に1回。毎月送ると、患者様にとっては催促になります。

その前に、やることがあります

その前に、やることがあります。順番を守るほうが、結果は早く出ます。

ただし、掘り起こしは最初の一手ではありません。

その前に見るものがあります。いま通っている方が、どれくらいの割合で来なくなっているか。

ここが開いたまま掘り起こすと、戻ってこられた方が、また同じ理由で離れます。同じ穴から二度落ちることになります。

穴の空いたバケツで考えると分かりやすいです。汲み上げて水を戻しても、穴が空いていれば同じところから漏れます。

しかも、汲み上げる労力が二重にかかります。

順番は、こうです。

①いま通っている方が、来なくなっていないか(出口)

②しばらく来ていない方が溜まっているか(休眠)

③そのあと、入口の話

1を明確にしてから、2はあとです。掘り起こしは費用がかからないので先にやりたくなりますが、順番を守るほうが結果は早く出ます。

「もう来ない方」と「約束がある方」を分ける

もうひとつ、実務の話をします。

最終来院から3ヶ月以上、という条件だけで抽出すると、来なくなった方と、次に来る約束がある方が混ざります。

ケアの計画を終えて、3ヶ月後の点検を約束している方。2ヶ月に1回の間隔で通われている方。

こういう方は、名簿の上では「3ヶ月以上来ていない人」に見えます。

この方々に「お変わりありませんか」という手紙が届くと、どうなるか。院が自分の予定を把握していないことが伝わります。

約束の記録がある方は、抽出から外してください。そして約束の時期を過ぎても来院がなかったときに、はじめて声をかける対象に移します。

この区別ができるかどうかは、カルテに「次にいつ来るか」を書いているかどうかで決まります。書いていない院では、区別ができません。

記録するのは2つだけ

掘り起こしをしたら、2つだけ記録してください。声をかけた人数と、戻ってこられた人数です。

それから、ひとつ知っておいてください。掘り起こしがうまくいった月は、離脱の数字がマイナスに振れることがあります。

計算間違いではありません。戻ってこられた方が人数に入るためです。効いた証拠として、そのまま記録してください。

次に読む:シリーズ 26 / 30

▶ 院で卒業した方の数を数えていますか|卒業の3条件【第4章 #3】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

送る前に。その方は休眠ですか、それとも卒業された方ですか。

この記事でお伝えしたのは、送ってはいけない相手がいることと、約束の記録がある方を抽出から外すという話までです。

休眠と卒業をどう見分けるのか、その分け方は書いていません。

サロンでは、休眠と卒業を見分けて名簿にする手順をお持ちします。

卒業された方に「お変わりありませんか」の手紙が届く事故は、卒業をきちんと出した院ほど強く起きます。

その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。

インサイドアウト・ナンバーズオンラインサロンでやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。

3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、名簿の上で休眠と卒業が分かれています。卒業された方に「お変わりありませんか」の手紙が届く。

いちばん失礼な事故が、仕組みとして起きなくなります。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。

来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、インサイドアウト・ナンバーズオンラインサロンです。

 INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンの募集ページは、現在制作中です。準備ができ次第、ご案内します。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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