マニュアルは増やすより並べ替える|院の棚の作り方【第2章 #4】

院向けのマニュアルは、たいてい多すぎます。集客、紹介、リピート、受付、コピーライティング、SNS、メルマガ。

10冊、20冊とあって、そのうち実際に読まれているのは1冊か2冊。これが正直なところではないでしょうか。

原因は、量ではありません。前回(第2章 #3)で、院の増減を決めているのは出口だとお伝えしました。

では、出口が課題だと分かったとき、どの資料を開けばよいのか。そこで止まるのは、棚の作り方の問題です。

「どれを開くか」が決まらないから、読まれません

20冊あると、読む順番を自分で決めることになります。

そして順番を決めるには、自院の課題が分かっていなければなりません。ところが課題が分かっているなら、そもそも本を探す必要は半分なくなっています。

つまり、順番を自分で決める設計は、いちばん困っている方ほど動けなくなります。資料が足りないのではなく、資料と課題がつながっていないのです。

並べ替えの基準は、ひとつだけです

やり方はひとつです。マニュアルを、診断の結果と1対1で対応するように並べ替えます。

並べ方の骨組みは、新しく作りません。第2章 #2 でお伝えした売上の構造を、そのまま使います。

売上 = 人数 × 一人単価 × 平均リピート数。そして人数だけが、入口と出口の2方向に分かれます。

私たちは、手元にあった18本を、この形に並べ替えました。減らしたのではありません。内容はひとつも捨てずに、置き場所を決め直しただけです。

売上のどこか 何をする棚か 置いてある本
── 土台(毎月ひらく) ① 数字 / ② 全体フロー
人数(入口) 増やす ③ 紹介 / ④ 集客 / ⑤ 発信
人数(出口) 減らさない ⑥ リピート / ⑦ 自院台本
一人単価 上げる ⑧ バックエンド / ⑨ 値上げ
── 引く(辞書) ⑩ 用語辞典
── 決める(仕組み) ⑪ 組織

※ 上の並びは、私たちの棚です。冊数をそろえる必要はありません。大事なのは、売上のどこに効く棚なのかが、番号を見ただけで分かることです。

この形にすると、診断の結果が本を指名します。「出口が課題」と出たら、開くのは人数・出口の棚です。読む順番を決める作業が、なくなります。

土台と処方を、混ぜないでください

ひとつだけ、注意があります。土台の本は、処方に選びません。

土台は「何を測るか」を決める本です。診断をするための道具なので、診断の結果として出てくることはありません。

ここを混ぜると「今月は数字の本を読む」という処方が出ます。読んだ気持ちにはなりますが、現場では何も変わりません。

処方として選ぶのは、入口・出口・単価の棚だけです。

1年で読むのは、3冊から5冊です

土台が2冊。処方が1冊から3冊。合わせて3冊から5冊です。

処方は、1回に1冊だけにして、最低3ヶ月続けます。2冊同時にやると、どちらが効いたのか分からなくなり、たいてい両方とも中途半端に終わります。

そう計算すると、1年で回せるのは3本です。20冊を並べておく意味は、あまりありません。棚に必要なのは冊数ではなく、迷わずに1冊が決まることです。

ここで、やってはいけないこと

①気になっている棚から開く:いちばん多い間違いです。気になっているところから見ると、結局いつも同じ棚に戻ります。並べ替えた意味がなくなります

②2冊を同時に開く:どちらが効いたのか分からなくなります。そして、たいてい両方とも中途半端に終わります

③冊数を増やして解決しようとする:足りないのは冊数ではありません。開く1冊が決まらないことが問題です

抜粋を作るなら、原本は1つに

受付用、カイロプラクター用と、抜粋版を作っている院は多いと思います。それは続けてよいのですが、原本は1つにしてください。

抜粋を独立した本として持つと、改訂したときに版がずれます。半年経つと、どれが最新なのか誰も分からなくなります。原本が1つなら、ずれません。

いま持っている資料は、捨てなくて構いません。新しく作り直す必要はありません。手元の資料が、上の棚のどこに当たるかを決めるだけです。

「集客の本」なら入口の棚。「リピートの本」なら出口の棚。診断が指すのは棚であって、中身が自院の資料でも、仕組みは同じように動きます。

全部の棚が埋まらなくて構いません。埋まらなかった棚が、いま自院に足りていない領域です。それが分かるだけでも、次の一手が決まります。

まず、手元の資料を並べてみてください

やることは1つだけです。手元にある資料を机に出して、上の表のどの棚に当たるかを書き込む。それだけです。

そのうえで、前回(第2章 #3)で出した入口と出口の差を思い出してください。差をつくっていたのが出口だったなら、開くのは出口の棚です。

ここまでが第2章です。何が院の人数を決めているのか、そして、どの棚を開くのか。次の第3章では、その手前にある「どう数えるか」を扱います。

次に読む:シリーズ 14 / 30

▶ 電子カルテなしで院の数字を出す方法|紙カルテと予約帳【第3章 #1】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

先生の院の棚は、いくつ埋まりましたか。

この記事でお伝えしたのは、棚の作り方と、開く1冊が決まる仕組みまでです。先生の院がいま、どの棚を開くべきなのかは、この記事では決まりません。

それを決めるのは、先生の院の数字です。同じ数え方で3ヶ月そろってから、初めて出ます。

INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。

3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、先生の数字が、開く1冊を指名します。棚に何冊あっても、今月ひらくのは1冊だけ。どれを読むか迷う時間が、まるごと要らなくなります。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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