新患の数と患者数の増減は関係が薄い|出口の振れ幅を見る【第2章 #3】

新患は毎月それなりに来ている。広告もSNSも続けている。それなのに、患者数が去年からほとんど変わらない。

このとき、多くの院が「集客をもっと」と考えます。ですが、数字を並べてみると、たいていは集客の問題ではありません。

患者数の増減は、引き算で決まります

2つの院を比べます。新患だけを見れば A院のほうが多い。増えているのは、B院です。

患者数が増えるか減るかは、2つの数の差だけで決まります。入ってきた人と、出ていった人です。

入口は新患。出口は、来なくなった方。その差し引きを「純増」と呼びます。

多くの院が、入口だけを数えています。新患が何人来たかは分かる。しかし何人が来なくなったかは分からない。

だから、増えない理由が分からないままになります。

6ヶ月並べると、見え方が変わります

同じ「新患」でも、結果が逆になります。

仮の数字で、ある院の6ヶ月を並べてみます。

入口(新患) 出口(来なくなった方) 純増
1ヶ月目 8 13 -5
2ヶ月目 8 11 -3
3ヶ月目 8 3 +5
4ヶ月目 9 12 -3
5ヶ月目 8 5 +3
6ヶ月目 7 12 -5
合計 48 56 -8

※ 上の数字は、説明のために作った仮の例です。実在の院の実績ではありません。

純増がプラスになったのは3ヶ月目と5ヶ月目です。この2ヶ月、新患が特別多かったでしょうか。どちらも8人。6ヶ月の平均がちょうど8人ですから、ちょうど平均です。

逆に新患が最も多かった4ヶ月目(9人)は、純増がマイナスになっています。

プラスになった月に共通していたのは、出口の小ささでした。

理由は、振れ幅の差にあります

足りないのは新患ではありません。だから集客のマニュアルを開いても変わりません。

この例で、新患はいちばん少ない月で7人、多い月で9人です。振れ幅は2人です。

一方で出口は、いちばん少ない月で3人、多い月で13人。振れ幅は10人あります。

出口のほうが、5倍大きく動いている。そして大きく動くほうが、結果を決めます。

新患を2人増やしても、その月に出口が5人動けば、努力した分は数字に出ません。集客が成功していても、患者数の上では何も起きていないのと同じになります。

実際の院を分析すると、出口の振れ幅が入口の数倍あるというのは、珍しいことではありません。

出口は、いま持っている数字から出せます

出口は、3つの数字から出せます。新しく数えるものは、ひとつもありません。

出口は、直接数えることができません。ですが、引き算で出せます。

出口の数は、いま数えている数字だけから出せます。新しく数えるものは、ひとつもありません。

必要なのは3つだけです。今月の患者数、今月の新患数、前月の患者数。電子カルテがなくても、紙のカルテと予約帳があれば出せます。

検算もできます。入口の合計から出口の合計を引いた数が、純増の合計と一致するはずです。合わなければ、どこかで数え方が変わっています。

ここで、やってはいけないこと

①いきなりパーセントにする:出口を率にすると、計画を終えて自立した方まで「漏れ」に数えることになります。自立を目指して丁寧に関わった院ほど、数字が悪く出ます

②単月で良い悪いを決める:月ごとの数字は想像以上に動きます。良い月に手を打たず、悪い月に慌てて方針を変えると、施策が毎月入れ替わって何も定着しません

③誰のせいかを探す:原因を特定する前に犯人探しを始めると、現場は数字を作りにいくようになります。ここで見るのは、院全体の数だけです

まず、3ヶ月並べてみてください

見るのは、入口と出口の差です。やることは1つだけです。今月の患者数、新患数、前月の患者数。この3つを3ヶ月分、横に並べる。

そして純増がプラスだった月とマイナスだった月を見比べて、差をつくっていたのが入口か出口かを確かめる。

答えが「出口」だったなら、次にやることは集客ではありません。

ほとんどの院で、出口を数人減らすほうが、集客を倍にするより速く、費用もかかりません。

次に読む:シリーズ 13 / 30

▶ マニュアルは増やすより並べ替える|院の棚の作り方【第2章 #4】

この続きは、INSIDE OUT NUMBERS オンラインサロンで

先生の院の増減を決めていたのは、入口でしたか、出口でしたか。

この記事でお伝えしたのは、出口のほうが大きく動くという事実と、その出し方、確かめ方までです。

先生の院がどちらなのかは、この記事では決まりません。

答え合わせができるのは、同じ数え方で3ヶ月そろってからです。

その問いに答えられるのは、先生の院の数字だけです。

INSIDE OUT NUMBERS でやることは、3つだけです。毎月、5つの数字を打つ。3ヶ月で、先生の院の基準線を出す。

そこから、手を入れる場所を1つに絞る。むずかしい計算は、ひとつもありません。使うのは電卓だけです。

3ヶ月目、入口と出口が並びます。多くの院で、動いていたのは出口のほうでした。それが自院でも本当かどうか。

推測ではなく、先生の数字で答え合わせができます。

3ヶ月は、待つ時間ではありません。数えている時間です。数字は毎月しか増えませんから、始めた月が、そのまま起点になります。

来月からにすれば、分かるのも1ヶ月あとになります。

まず、今日のうちに先月の5つを出してみてください。先月の実人数、今月の新患、今月の実人数、延べ来院回数、売上。

それだけで、先生の院の1ヶ月目が終わります。手が止まったところが、いま足りていないものです。

そこから先を一緒に埋めていくのが、INSIDE OUT NUMBERS です。

金城 寿生

執筆者金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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