動画全盛の時代にあえて手書きを選ぶテキストへのこだわりと願い

「今の時代、動画教材の方が分かりやすくないですか?」
「スマホで見れる方が便利ですよね?」

 

テキストチームであるNEXITを立ち上げる際、そして今でも、よく聞かれる質問です。

 

「ペーパーレスの時代に逆行しているだろう」

 

確かにその通りです。

YouTubeを開けば、世界中の素晴らしいテクニックが見られますし、動きのニュアンスを掴むなら動画は便利です。
今やたくさんの情報が、SNSや動画教材を通じて得ることができます。

それでもなお、私たちNEXITがあえて「テキスト(本)」という媒体を選び、
そこに「手書き」という要素を重要視しているのには、明確な理由があります。

 

それは、私自身の経験もそうですが、脳科学的な事実に基づいた譲れない教育の信念があるからです。

 

「便利」の裏にある、脳のサボり癖

 

私自身、これまで動画教材や紙媒体など、様々なテキストに触れてきました。
その中で、圧倒的に頭に染み付き、現場で使える知識となったのは、間違いなく手書きで学んだものでした。

感覚的に、動画は頭に入ってこないのです。
なぜなら、流れてくる情報に対して「受け身」になってしまうから。

 

実はこの内容は、科学的にも証明されています。
「ペンはキーボードより強し」という研究がアメリカの大学で過去に行われました。

 

パソコンやスマホでの入力は、単なる「情報の書き写し」になりがちで、脳をあまり使いません。
一方で「手書き」は、手間がかかる分、脳が「重要な部分を選んで要約する」という高度な処理を無意識に行います。

東京大学の研究でも、スマホより「紙の手帳」を使った方が、記憶を司る海馬が活発に働くことがわかっています。

 

NEXITがテキストにこだわる理由。

それは、あえて手間のかかる「書く」という行為を通して、あなたの脳を能動的な学習環境に切り替えたいからです。

 

 

 

なぜ、シオカワスクールは「撮影禁止」なのか?

 

話は少し逸れますが、私が講師を務めるシオカワスクールでは、セミナー中の動画撮影を一切禁止しています。

 

「技術を出し惜しみしているんですか?」

 

たまにそう聞かれますが、違います。
もちろん知的財産を守る意味もありますが、一番の理由は受講生の能動的学習を守るためです。

 

これもまたアメリカの大学の研究になりますが、「写真撮影による記憶の減退効果」という現象が確認されています。
人間は、カメラやスマホに記録した瞬間、無意識に「カメラが覚えたから、自分は覚えなくていいや」と脳が判断し、記憶を消去してしまうのです。

 

「後で動画を見返せばいいや」 その油断が、学びの質を劇的に下げてしまいます。

撮影禁止という不便な環境で、必死に目に焼き付け、メモを取る。
その「必死さ」こそが、一生モノの技術を習得する唯一の道なのです。

本物を学習するには最適な環境が準備されていたのです。

 

 

ボロボロのノートが教えてくれたこと

 

この記事を書きながら、ふと、私が過去に鍼灸師の国家資格を取るために使っていたノートを見返してみました。

ボロボロで決して綺麗とは言えないノートです。

 

 

しかし、ページを開いた瞬間、ただの文字情報の羅列ではなく、

「その時の教室の風景」
「先生が雑談で話した例え話や冗談」
「あの時、自分が感じていた焦りや情熱」

そういった熱量までもが、鮮明に脳裏によみがえってきたのです。

不思議な感覚でした。

手書きで能動的に学んだことは、単なる「暗記データ」ではなく、体験としての「記憶」として脳に刻まれます。
周りの空気感や思い出ごと保存される。

 

これこそが、アナログの持つ凄まじい力です。

NEXITのテキストは、綺麗に使わないでください。

動画を見てわかった気になるのは、もう終わりにしましょう。

あなたの気づき、現場での失敗、講師からのアドバイスなど、それらを泥臭く書き込み、
自分なりの記憶媒体を作り上げてください。

その一つひとつが、将来あなたを助ける知識の基盤になるでしょう

シオカワスクールのテキストが、あなたにとって、あの日の私のような「ボロボロの宝物」になることを願っています。

関野 貴友

執筆者関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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