インサイドアウト健康文化は、どうすれば根付くのか?

言語化・共感化・仕組み化という3つの柱

インサイドアウト健康文化の必要性について、ここまでお伝えしてきました。

  • 体の内側にある力を信じること。
  • 症状を敵とせず、対話の入り口とすること。
  • 健康を「管理」ではなく「関係性」として捉えること。

これらに共感しても、多くの人が次にこう感じます。

「でも、それをどうやって社会に広げるのか?」
「理想としては分かるけれど、現実は難しいのではないか?」

今回のコラムでは、その問いに、正面から答えていきます。

文化は「自然に広がる」ものではない

まず、はっきりさせておきたいことがあります。文化は、放っておけば根付くものではありません。どれだけ素晴らしい理念であっても、

・言葉になっていない
・体験として共有されていない
・続く仕組みがない

この3つが欠けていれば、文化は一過性のブームで終わります。

インサイドアウト健康文化を一時的な思想で終わらせないために、シオカワスクールでは3つの柱を大切にしています。

① 言語化 ― 見えない感覚を、共有できる言葉にする

インサイドアウト健康文化の最大の特徴は、「感覚的で、説明しづらい」点にあります。

・体を信じる
・内側から整う
・治る力がある

これらは、感じたことがある人には分かりますが、言葉にしなければ、他者と共有できません。だからこそ必要なのが、言語化です。

シオカワスクールでは、

・カイロプラクティック哲学
・サブラクセーションという概念
・イネイト・インテリジェンスの視点

を通して、

「なぜ体を信じてよいのか」
「なぜ治そうとしない方が回復するのか」

を、誰にでも説明できる形に落とし込みます。言語化は、文化の“共通言語”をつくる行為です。

② 共感化 ― 体験と物語によって「自分ごと」にする

しかし、言葉だけでは文化は根付きません。人が動くのは、理解したときではなく、共感したときです。

・自分も同じ経験がある
・この考え方に救われた
・この在り方で臨床が変わった

そうした体験の共有が、文化を「自分のもの」に変えていきます。

シオカワスクールでは、

・臨床の変化
・受講生の気づき
・患者様との関係性の変化

を、単なる成功談ではなく、プロセスとして共有します。共感は、文化の“感情的な土台”になります。

③ 仕組み化 ― 人が入れ替わっても続く構造をつくる

文化を根付かせるうえで、最も重要なのが仕組み化です。どれだけ想いのある人がいても、属人的であれば、文化は続きません。

シオカワスクールでは、

・教育カリキュラム
・評価制度
・育成ステップ
・継続的な学びの場

を通して、インサイドアウト健康文化が自然に再生産される構造をつくっています。

これにより、

・誰が教えてもブレない
・世代が変わっても受け継がれる
・地域が変わっても同じ価値観が共有される

文化としての強度が生まれます。

塩川満章 D.C. から受け継がれた「文化のつくり方」

先代・塩川満章 D.C. が長年の臨床と教育の中で示してきたのは、まさにこの3つの循環でした。

語りすぎず、体験を大切にし、同じ在り方が自然に受け継がれていく環境をつくる。

インサイドアウト健康文化は、理念先行ではなく、実践の積み重ねから生まれた文化です。

文化は「広げるもの」ではなく「育てるもの」

インサイドアウト健康文化を無理に広げようとはしません。

・一人が体を信じる
・その姿を見た誰かが共感する
・それが次の人に手渡される

この連鎖が、静かに、しかし確実に文化を育てていきます。

文化は、マーケティングで作るものではありません。日常の選択の中で育つものです。

最後に、ひとつだけお伝えしたいことがあります。

インサイドアウト健康文化は、誰か一人の力で広げられるものではありません。

それは、同じ価値観に共鳴した人たちが、日々の臨床や生活の中で体現し続けることで、少しずつ根付いていく文化です。

もしあなたが、体の内側にある力を信じ、症状の先にある“本当の回復”を扱いたいと感じているなら、ぜひ、私たちと共に歩んでください。

インサイドアウト健康文化を日本に根付かせる仲間として、その一歩を、ここから踏み出してみませんか?

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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