院の未来は終業後につくられている―カイロプラクティック・アシスタントが守る一日の締めくくり

受付(CA)

終業後の空気を整えるという目に見えない仕事

一日の業務が終わり、患者様が帰り、院内の人の動きが止まったあと、そこには言葉では表現しきれない「空気」が残ります。

その空気は、その日一日に交わされた視線、声の調子、間の取り方、緊張や安堵、喜びや迷い、そのすべてが折り重なって生まれたものです。

カイロプラクティックアシスタント(CA)は、その空気を無意識に感じ取りながら、空調を整え、物の位置を元に戻し、院全体を静かな状態へと戻していきます。

それは単なる片付けではなく、「今日という一日をここで完結させる」ための大切な行為です。

このような終業後の整えの時間も、一般的な受付の仕事の範囲を超えた、重要なCAの仕事内容の一つと言えるでしょう。

振り返りとは反省ではなく感情を置いていく作業である

CAが行う振り返りは、出来たか出来なかったかを評価するための反省ではありません。

今日、どんな場面で心が動いたのか、どんな瞬間に違和感を覚えたのか、あるいは静かな温かさを感じたのか。

その感覚を、無理に言葉にしようとせず、そのまま受け止めることから始まります。

感情は整理されないまま持ち帰ると、無意識のうちに次の日の対応に影を落とします。だからこそCAは、その日の感情をその場に置いて帰るという選択をします。

これは、自分を切り離す行為ではなく、明日を新しい状態で迎えるための内側の整頓です。

今日の在り方を明日に持ち越さないという選択

CAは、昨日の空気を今日に引きずらず、今日の在り方を明日の前提にしないという選択を意識的に繰り返しています。

それは一貫性を欠くことではなく、常に目の前の人と場に対して新鮮で開かれた状態で関わり続けるための、スタッフとしての姿勢です。

昨日うまくいった対応が、今日も同じとは限らない。昨日の正解が、今日の安心を生むとは限らない。

その前提に立つからこそ、CAは毎日「初めて会う」感覚で人と場に向き合います。

この在り方こそ、外側の行動を整えるのではなく内側から整えるインサイドアウト健康文化の実践と言えるでしょう。

文化は閉院後に最も静かに受け継がれていく

誰にも見られていない時間に、どのように院を離れるのか。どんな気持ちで鍵を閉めるのか。明日、どんな空気で人を迎えたいと想像するのか。

そのすべてが、院の文化の質を決めています。

文化は、誰かに見せるためのものではなく、日常の選択の積み重ねによって形づくられるものです。

CAは、一日の終わりに、その文化のバトンを丁寧に整え、何もなかったかのように明日へと手渡していきます。

CAを目指しませんか?

表に出る成果や評価ではなく、場の余韻や空気の質を大切にし、誰もいない時間にも文化を守り続ける仕事に価値を感じるなら、カイロプラクティックアシスタントという在り方は、あなたの感性に深く重なるはずです。

人がいない時間にこそ誠実であること。

明日の安心を、今日の終わりから準備すること。

その静かな責任を引き受ける存在として、CAという生き方を選んでみませんか。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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