接遇文化はこうして生まれる ― カイロプラクティック・アシスタントが担う最前線の役割

受付(CA)

文化とは決められたルールではなく、日常の空気として伝わっていくものである

文化という言葉を聞くと、多くの人は理念集や行動指針、マニュアルを思い浮かべます。しかし本当の文化は、決められた文章の中に存在するものではありません。

文化とは、その場に流れる空気であり、言葉にされなくても自然に共有されていく感覚です。この院ではこう振る舞うのが自然だと、誰かに教えられなくても感じ取れるもの。それが文化です。

文化は指示によって生まれるのではなく、日々の関わりの積み重ねの中で、静かに形成されていきます。

そしてその中心にいるのが、現場の最前線に立ち続けるカイロプラクティックアシスタント(CA)という存在です。

患者様が受け取っているのは理念の説明ではなく、現場に立つ人の在り方である

患者様が院を訪れたとき、理念や方針を頭で理解しているわけではありません。感じ取っているのは、言葉の温度、対応の間、急かされない空気、安心できる距離感といった目に見えない要素です。

どれほど美しい理念が掲げられていても、現場の在り方と一致していなければ、それは伝わりません。

逆に、特別な説明がなくても、現場の在り方が整っていれば、院が大切にしている価値観は自然と伝わっていきます。その在り方を日常の中で体現しているのが、CA仕事としての重要な役割です。

CAは理念を語る人ではなく、理念を生きる人である

CAの役割は、理念を言葉で説明することではありません。理念を日々の振る舞いとして生きることです。

患者様への声のかけ方、待つ姿勢、説明の量、沈黙を保つ判断。そうした一つひとつの選択が、その院の価値観を形づくっています。

特別なスキルや強い主張がなくても、CAの在り方そのものが文化を表現しているのです。

だからこそCAには、自分が文化の担い手であるという自覚が求められます。それは完璧であることではなく、大切にしたい価値を日々の選択の中で守り続ける姿勢です。

これは、内側から文化を育てていくインサイドアウト健康文化の実践でもあります。

次の世代へと静かに受け渡されていく

文化は上から押し付けて継承されるものではありません。日々現場に立つ人の姿勢を通して、自然に次の世代へと渡されていきます。

新人が最初に学ぶのも、マニュアルの内容より、この場ではどう在るのが自然なのかという空気です。

その空気をつくっているのは、日々現場を支えているスタッフとしてのCAの在り方にほかなりません。院の受付という枠を超え、CAは院の文化を支える専門職として重要な役割を担っています。

CAを目指しませんか?

誰かを動かすのではなく、人が自然に安心できる場を整える。言葉で教える前に、自分の在り方で示す。そんな静かな影響力に価値を感じるなら、カイロプラクティックアシスタントという役割はあなたの感性と深く重なるはずです。

文化を守り、文化を渡し、文化を未来へつなぐ。その担い手として、CAという生き方をあなた自身の選択肢として考えてみませんか。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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