患者様の状態を感じ取る専門職 ―カイロプラクティック・アシスタントの観察力の価値

受付(CA)

CAの専門性とは?

患者様が発する言葉は、必ずしもその人の本当の状態を正確に表しているとは限りません。

「大丈夫です」と言いながら表情が硬い人もいれば、特に困っていないと話しながら身体が緊張している人もいます。

カイロプラクティックアシスタント(CA)が日々向き合っているのは、言葉そのものではなく、その背後にある状態です。

言葉を鵜呑みにするのではなく、「今この人はどのような状態でここに立っているのか」を感じ取り、その状態が無理なく整うように場を保つこと。

それが、CAの仕事の中でも重要な専門性です。

状態とは感情ではなく、その人全体の在り方

状態というと感情を想像しがちですが、CAが捉えているのはもっと広い領域です。

呼吸の深さ、視線の動き、立ち方、動作の速度、声の出し方、沈黙の長さ。それらすべてが、その人の状態を映し出しています。

CAとしての受付業務の役割は、単に案内や手続きを行うことではありません。

受付という最初の接点で患者様の状態を感じ取り、その人が無理なくその場にいられる環境を守ることが求められます。

状態を読むとは、判断しない姿勢である

状態を見るという行為は、評価や判断とは正反対の姿勢です。「この人は不安そうだ」「この人は落ち着いている」と決めつけてしまった瞬間、関わりは操作に近づいていきます。

CAが大切にしているのは、決めないこと、急がないこと、ラベルを貼らないことです。今この瞬間の状態をそのまま受け取り、変えようとせず、ただ保つ。

この姿勢こそが、スタッフとして信頼を支える基盤となります。

状態が整うと、人は自然に言葉を選び始める

人は安心すると、無理に説明しなくても、自分にとって必要な言葉を自然に選び始めます。

CAが言葉を引き出そうとしなくても、状態が整えば質問が生まれ、理解が進み、納得が深まっていきます。

このような関わり方は、外側から行動を変えるのではなく、内側から自然な変化を引き出すインサイドアウト健康文化の実践そのものでもあります。

状態を尊重されると、人は自分を信頼できるようになる

自分の状態を否定されず、急かされず、評価されずに扱われた経験は、人の内側に静かな信頼を残します。

「この場所では自分のままでいていい」と感じられたとき、人は外の正解に頼らなくなります。

CAが支えているのは、その人が自分自身を信頼できる感覚であり、その信頼があるからこそケアは他人任せではなく、自分の選択として受け取られていきます。

CAを目指しませんか?

人の言葉よりも、その奥にある状態に耳を澄ませたいと思いますか。答えを与えるより、相手が自分の感覚を取り戻す瞬間を大切にしたいと感じますか。

もしそうであれば、カイロプラクティックアシスタントという役割は、あなたの観察力や繊細さが最も活きる場所かもしれません。

判断せず、急がず、状態を尊重する。その在り方を現場で守り続ける仕事に、あなたも挑戦してみませんか。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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