患者様に安心を与える3つの基本行動 ― カイロプラクティック・アシスタントが実践する接遇の本質

受付(CA)

安心は「説明」ではなく「感じ取られるもの」

患者様が安心する瞬間は、必ずしも言葉によって生まれるわけではありません。

むしろ多くの場合、言葉が交わされる前の一瞬です。院に入ったときの空気、迎えられたときの距離感、視線や動きの自然さ。

人は無意識のうちに、その場が安全かどうかを感じ取っています。

カイロプラクティックにおける接遇は、納得させるための説明技術ではなく、安心できる状態を先に整える行為です。

これは、外側から安心を与えるのではなく、内側の回復の力が働きやすい環境を整えるという、インサイドアウトの実践でもあります。

CAの役割は、患者様が考えなくても「ここは大丈夫だ」と感じられる土台をつくることにあります。

基本行動① 自分自身が整っているということ

最初の基本行動は、CA自身が整っていることです。落ち着いた呼吸、安定した姿勢、過不足のない動き。

これらはすべて、意識的に演じるものではなく、内側の状態が外に表れた結果です。人は言葉よりも先に、相手の緊張や余裕を感じ取ります。

CAが焦っていれば、その空気は院全体に広がります。反対に、CAが静かに整っていれば、その安定感は患者様にも伝わります。

安心を与える第一歩は、相手に何かをすることではなく、自分の状態を整え続けることです。

基本行動② 相手のペースを尊重する距離感

二つ目の基本行動は、相手のペースを尊重する距離感です。安心は、近づきすぎても、離れすぎても生まれません。

患者様が今どのくらいの距離を必要としているのかを感じ取り、その範囲を侵さないことが重要です。

急がせない、詰め寄らない、先回りしすぎない。この余白があることで、患者様は自分の感覚を取り戻します。

CAの接遇は、主導することではなく、相手が自然に選択できる空間を保つことに価値があります。

これは、主体性を尊重するインサイドアウトの重要な実践でもあります。

基本行動③ 一貫した態度を保ち続けること

三つ目の基本行動は、一貫性です。忙しい日でも、余裕のある日でも、患者様への向き合い方が変わらないこと。

人は一度の丁寧さよりも、繰り返される安定に安心を感じます。

今日は優しいが、次は冷たい。その揺れは無意識の不安を生みます。CAが担うのは、感情の波を持ち込まない役割です。

一貫した態度は、患者様にとって「いつ来ても同じ空気がある」という信頼につながり、院全体にインサイドアウト健康文化を根づかせていきます。

言葉以前に伝わるものが信頼の土台になる

言葉は、安心が整ったあとに初めて力を持ちます。どれほど丁寧な説明でも、土台が不安定であれば届きません。

CAの接遇は、話し方を磨く前に、在り方を整えることから始まります。

自分が整い、距離を尊重し、一貫した態度を保つ。その積み重ねが、言葉を使わずとも伝わる安心をつくり、ケアの価値が自然に伝わる環境を育てていきます。

CAを目指しませんか?

安心を与えるとは、何かをしてあげることではありません。場を整え、関係性を守り、相手が自分自身に戻れる空間を支えることです。

その中心に立つのがCAという存在です。

人の人生に静かに寄り添い、信頼が育つ環境をつくる役割に価値を感じるなら、CAという道はきっとあなたに合っています。

インサイドアウト健康文化を現場から社会へ広げていく存在として、CAという選択を未来の一歩として考えてみませんか。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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