信頼は一瞬で生まれない ― カイロプラクティック・アシスタントが実践する誠実さの積み重ね

受付(CA)

信頼は一瞬で生まれるものではない

信頼という言葉には、どこか特別な行為や大きな結果が必要だと思われがちです。

しかし実際の現場では、信頼は劇的な出来事によって生まれるものではありません。

患者様がこの院を信頼するかどうかは、日々の小さな関わりの中で、少しずつ形づくられていきます。

挨拶の仕方、声の調子、立ち位置、目線、説明の間の取り方。

その一つひとつは目立たないものですが、積み重なることで確かな感覚となって残ります。

CAの接遇とは、信頼を「つくろう」とする行為ではなく、信頼が自然に育つ選択を日々積み重ねる姿勢そのものです。

これは、外側から信頼を作るのではなく、関係性の中から信頼が育っていくというインサイドアウトの実践でもあります。

誠実さとは「正しさ」ではなく「向き合い方」

誠実さというと、間違いをしないことや、完璧であることを想像されることがあります。

しかし接遇における誠実さは、常に正解を出すことではありません。大切なのは、その瞬間の患者様にどう向き合っているかです。

分からないことを分かったふりをしない、急いでいるときほど丁寧さを崩さない、自分の都合より相手の状態を優先する。

こうした姿勢が、誠実さとして伝わります。患者様は説明内容以上に、「この人は自分を大切に扱っているか」を感じ取っています。

小さな選択が院の印象を形づくる

CAは、日々無数の選択をしています。声をかけるか、黙って待つか。今伝えるか、後にするか。急ぐか、余白を取るか。

これらはすべて、業務の中で自然に行われている判断ですが、その一つひとつが院の印象を決めています。

信頼される院とは、特別な対応をする院ではなく、こうした小さな選択が一貫して誠実な方向に向いている院です。

CAの判断は、院の価値観を日常の行動として表現する役割を担っており、その積み重ねがインサイドアウト健康文化を現場に根づかせていきます。

信頼は「積み上げ型」でしか生まれない

一度の丁寧な対応で信頼を得ることはできませんが、同じ丁寧さを繰り返すことで、信頼は確実に育ちます。

今日は良かったが、次は不安だったという揺れは、信頼を弱めます。

反対に、いつ来ても同じ空気があり、同じ姿勢で迎えられることで、患者様は安心して身を委ねることができます。

CAが果たすべき役割は、瞬間的な評価を得ることではなく、信頼が続いていく土台を守り続けることです。

信頼は「人」に宿る

最終的に、患者様が通い続ける理由は院の設備や情報ではありません。

「あの人がいるから」という感覚です。CAは名前に残らなくても、記憶に残る存在です。

その記憶は、特別な言葉ではなく、誠実な選択の積み重ねによって形づくられます。

信頼とは、評価されるためにつくるものではなく、在り方としてにじみ出るものです。

そしてその在り方が、インサイドアウト健康文化を日常の現場から社会へ広げていく力になります。

CAを目指しませんか?

誠実さを積み重ねる仕事は、派手ではありません。しかしその分、人の人生に深く関わり、長く信頼される価値を持っています。

人を操作するのではなく、人が安心して自分に戻れる場を守り続ける。その中心に立つのがCAです。

もしあなたが、結果よりも過程を大切にし、信頼を育てる役割に魅力を感じるなら、CAという道はあなたにとって意味のある選択になるはずです。

インサイドアウト健康文化を支える存在として、CAという生き方をぜひ未来の選択肢の一つとして考えてみてください。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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