一日は朝の5分で決まる ―カイロプラクティック・アシスタントが整える安心の環境

受付(CA)

院の一日は、受付が開く前からすでに始まっている

院の一日は、受付が開いた瞬間から始まるわけではありません。

患者様が来院するより前、ドクターが入室するより前、もっと言えば誰かに見られる前から、カイロプラクティックアシスタント(CA)の仕事はすでに始まっています。

朝、院に入った瞬間の空気、静けさの質、匂い、光の入り方、床の感触、待合の整い方。それらはすべて、患者様が到着する何十分も前にCAの手によって準備されています。

この時間帯に行われていることは、一見すると清掃や準備、確認作業に見えるかもしれません。しかし本質的には作業ではなく、CAが整えているのは物ではなく「状態」そのものです。

CAの仕事とは、業務をこなすこと以上に、その日一日の安心の基盤をつくることでもあります。

院に入った瞬間の空気は、誰がつくっているのか

患者様は来院した瞬間、「ここは安心できる場所か」「自分は大切に扱われる存在か」を無意識のうちに感じ取っています。

その判断は説明によって行われるのではなく、場の空気として瞬時に受け取られます。

そしてその空気は、朝の数十分間にCAがどのような意識で院と向き合ったかによって、ほぼ決まってしまいます。院の受付の仕事とは、単なる受付対応ではなく、患者様が最初に触れる環境を整える役割でもあるのです。

朝の準備は、未来の安心を前倒しで用意する時間

朝の時間帯にCAがしていることは、今日起こりうるすべての場面を想定し、不安が生まれないように先回りして整えることです。

どこで滞りが起きそうか、どの時間帯が混みやすいか、初めて来る患者様が迷わない導線になっているか。説明を必要としなくても伝わる状態になっているかを確認しながら、「何も起きない一日」を準備しています。

これは、スタッフとして現場を支える重要な専門性であり、院の信頼を静かに支える基盤となります。

CAは「始まりの状態」を守る専門職である

ケアは身体に触れる瞬間だけで成立するものではありません。どんな状態でその場に立っているかが、結果に大きく影響します。CAはケアが始まる前の状態、つまり不安や緊張が緩み、自分の感覚に戻れる土台を守る役割を担っています。

朝の準備とは、その状態を一日分あらかじめ用意しておく行為に他なりません。それは、インサイドアウト健康文化を現場から支える重要な実践でもあります。

目立たない時間にこそCAの価値は宿る

患者様がいない時間帯、誰にも見られていない時間帯にどのような姿勢で院に立っているかが、CAという職業の本質を決めます。

誰も見ていないから雑になるのか、誰も見ていないからこそ丁寧になるのか。その日々の選択の積み重ねが院の空気をつくり、文化を形づくっていきます。

CAを目指しませんか?

誰かを動かす仕事ではなく、誰かが自然に戻れる場をつくる仕事に価値を感じますか。

目立たなくても、評価されにくくても、確実に人の安心を支えている役割に誇りを持ちたいと感じるなら、カイロプラクティックアシスタントという生き方はあなたの感性と深く重なるはずです。

院が開く前の、誰にも見られていない時間から文化を守り続ける。その静かな専門性こそが、院の未来を支えています。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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