カイロプラクティック・アシスタントの仕事とは?サービス業と異なる接遇の考え方

受付(CA)

「接遇=サービス」という誤解から始まるズレ

接遇という言葉が使われるとき、多くの人はサービス業を思い浮かべます。

丁寧な言葉遣い、笑顔、気配り、相手を喜ばせる対応。確かにそれらは大切な要素です。

しかしカイロプラクティックにおける接遇を、サービス業と同じ文脈で捉えてしまうと、根本的なズレが生じます。

サービス業の目的は「満足」や「快適さ」を提供することですが、カイロプラクティックの接遇の目的は「安心と信頼が育つ状態」を支えることです。

これは、外側から満足を与える考え方ではなく、内側から回復の力が発揮される環境を整えるという、インサイドアウトの実践そのものでもあります。

喜ばせることが目的になると、信頼は浅くなる

サービス業では、お客様を喜ばせることが評価につながります。

しかしケアの現場で「喜ばせよう」とする意識が強くなりすぎると、無意識のコントロールが生まれます。

笑顔を作り、言葉を選び、期待される反応を引き出そうとするほど、患者様は「何かされている」と感じてしまいます。

人は、操作されていると感じた瞬間に心を閉じます。表面的な満足は得られても、深い安心や信頼にはつながりません。

カイロプラクティックにおける接遇は、相手の感情を動かすことではなく、相手が自然体でいられる状態を守ることに価値があります。

ケアの場は「消費」ではなく「関係性」が育つ場

サービス業では、提供者と受け手の関係は基本的に一方向です。対価を支払い、サービスを受け取り、満足すれば完結します。

一方で、カイロプラクティックのケアは、継続的な関係性の中で成り立ちます。

患者様は、単に何かを受け取る存在ではなく、自分の状態と向き合い、選択を重ねていく主体です。

CAの接遇は、その主体性を損なわないためのものです。過剰に手を出さず、決断を奪わず、考える余地を残す。

この距離感があるからこそ、ケアは一時的な体験ではなく、人生に根づく選択となり、インサイドアウト健康文化が現場に定着していきます。

「感じがいい」よりも「一貫している」こと

サービス業では、瞬間的な印象が重視されます。しかしケアの現場で大切なのは、毎回変わらない一貫性です。

忙しい日も、余裕のある日も、患者様に向ける姿勢が変わらないこと。その安定感が、安心を積み重ねていきます。

CAに求められるのは、感情を盛り上げる技術ではなく、自分自身の在り方を整え続ける姿勢です。一貫性は演出できません。

日々の意識と選択の積み重ねによってのみ育まれていきます。

喜ばせないからこそ、深い信頼が生まれる

カイロプラクティックの接遇がサービス業と決定的に違う点は、喜ばせることを目的にしていないところにあります。

患者様がその場で気持ちよくなるかどうかよりも、長い目で見て安心して通えるかどうか。その視点で関わり続けることが、結果として深い信頼につながります。

CAは、場の空気を整え、関係性の質を守り、ケアの価値が自然に伝わる環境を支える存在です。

それはサービスを提供する仕事ではなく、インサイドアウト健康文化を現場から社会へ広げていく「文化を育てる仕事」だと言えるでしょう。

CAを目指しませんか?

CAは、人を喜ばせる仕事ではありません。人が自分自身に戻れる場を守る仕事です。表面的な満足ではなく、長く続く信頼を大切にしたい。

関係性を育てる仕事に価値を感じる。そう思える方にとって、CAという役割は大きな意味を持ちます。

ケアの本質を支え、インサイドアウト健康文化を未来へつないでいく存在として、CAという選択をあなたの人生の選択肢に加えてみませんか。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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