皮膚は私たちに色々なことを教えてくれる

体の声を映す“鏡”としての皮膚

こんにちは!塩川スクール講師の高島克哉です。

あなたは普段臨床で、皮膚から何を読み取っていますか?

私たちの体を覆っている「皮膚」。毎日何気なく目にしている存在ですが、実はこの皮膚は、体の状態を映し出す“鏡”のような役割を果たしています。
赤みや乾燥、むくみ、色の変化などちょっとしたサインに耳を傾けると、体の奥で起きていることを知る手がかりになるのです。

今回のコラムでは、そんな皮膚が教えてくれる様々なサインについてお話ししていきます。

1. 皮膚が伝えてくれるシンプルなサイン

皮膚は体の最前線で外界と接しており、さまざまな変化を通じてメッセージを発しています。

・赤み(発赤)
 血流や炎症の変化で皮膚が赤く見えることがあります。運動後や外傷直後などもそうですが、局所的に赤い場合はその部位に負担がかかっているサインかもしれません。

・乾燥やカサつき
 慢性的な血流不足や代謝の低下が関与することがあります。皮膚が硬くざらついている場合、その下の組織にも長期的なストレスがかかっていることが考えられます。

・むくみやしっとり感
 炎症や循環の乱れによって皮膚の下に余分な水分がたまると、浮腫として触れられるようになります。急性の炎症では熱を帯び、触れるとしっとりした質感になることも特徴です。

2. 触れて分かる“質感の変化”

皮膚はただの膜ではなく、無数の感覚受容器と血管が集まる場所です。触れてみることで、次のような情報が分かります。

・温度の違い:炎症で熱を持つ、あるいは血流低下で冷たく感じる

・弾力の違い:急性期は張りが強く、慢性期はカサつきや硬さが増す

・浮腫の有無:水分の停滞によるふくらみ、もしくはくぼみ

これらは左右差や上下差を比べることでより明確に分かります。「右は柔らかいのに、左は硬い」「上の方は冷たいけど、下の方は温かい」といった差が、体の中で起きているバランスの乱れを教えてくれるのです。

3. カイロプラクティックとの関わり

カイロプラクティックでは、皮膚の変化を サブラクセーションを見極める大切な手がかりとして扱います。

例えば、サブラクセーションが起こればその周囲の皮膚に異常が見られることがありますし、急性のサブラクセーションでは炎症が出たりします。
つまり、皮膚の観察は「体の奥で何が起きているか」を予測するための重要な検査ポイントなのです。

4. 皮膚と神経のつながり

皮膚は神経の支配を強く受けているため、神経系の状態がそのまま表れます。

・交感神経の働き → 血管の収縮(末端の冷え)や発汗の調整に影響

・副交感神経の働き → 血管の拡張や皮膚の修復などに影響

例えばストレスで交感神経が優位になると皮膚の冷えに影響し、また乾燥がみられることもあります。逆に副交感神経が優位になると血流改善や修復の促進により、発赤や軽いむくみが出ることもあります。

このように、皮膚を観察することは「神経の状態を外から読む」ことに他ならないのです。

5. 日常の観察ポイント

難しい専門知識がなくても、日常で「皮膚の声」を聞くことはできます。

・左右の温かさが違わないか

・赤みが出ていないか

・むくみや張りを感じる部分がないか

・乾燥している、しっとりしている部位はないか

こうした小さなサインに気づけると、自分の体の変化に早く対応することができます。

まとめ

皮膚は、体の健康状態を教えてくれる大切な“情報源”です。
赤み、乾燥、むくみ、温度の違い-これらは単なる見た目の変化ではなく、体の奥で起きている神経や循環の乱れを映し出している可能性があります。

カイロプラクティックでは、こうした皮膚のサインを丁寧に観察し、サブラクセーションを見抜くための大切な材料としています。

皮膚は、今日どんなことを教えてくれているでしょうか?
その小さなサインに耳を傾けることが、さらなる成長への第一歩になるかもしれません。

高島 克哉

執筆者高島 克哉

神奈川県川崎市出身。
横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。
様々な治療法を模索し多くの講習会に参加している中で塩川雅士D.C.の記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックに出会う。
その後塩川カイロプラクティックで塩川満章D.C.、塩川雅士D.C.のアシスタントを務めながらシオカワスクールで哲学・科学・芸術を学ぶ。現在は塩川カイロプラクティック副院長として臨床に励みながらシオカワスクール講師を担当し、正統なカイロプラクティックを全国に広めるべく活動をしている。

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