治療院で物販販売するメリット&デメリット:カイロプラクティック哲学を踏まえた効果的な活用方法とは?
カイロプラクティックの現場では、患者様の健康をサポートするために、マットレス、枕、サプリメント、健康器具などのさまざまな物販を取り扱うケースが増えています。しかし、これを取り扱うべきかどうかについては賛否が分かれます。本記事では、カイロプラクターが物販を行うメリットとデメリット、そしてその取り扱いにおける重要なポイントについて掘り下げていきます。
物販を取り扱うメリットとデメリット
物販を取り扱う最大のメリットは、治療院の経営面での利益拡大です。治療やアジャストメントだけでは限界のある収益を補うため、健康に関連する商品の販売は有効な手段といえます。また、患者様が健康意識を高める一助となり、ケア効果の持続をサポートできる可能性があります。
一方で、物販にはリスクも伴います。最大の懸念は、患者様に提供する商品が本当にその人にとって最適なものであるかどうかという点です。身体の状態や骨格が異なる患者様に対し、一律の製品を推奨することで、逆に健康を損なう恐れもあります。
柔らかい枕を好む方もいれば、硬めの枕でなければ寝られない方もいます、柔らかいマットレスで快適に感じる方もいれば、硬いマットレスが体に合う方もいます、サプリメントでもブランドや配合の違いで効果が変わることもあります。
患者様の体は一見すると同じ構造に見えますが、実際には大きく異なります。このため、特定の商品を「万人向け」として推奨するのは避けるべきです。
カイロプラクティック哲学から考える物販とは?
カイロプラクティックの哲学の観点から、物販の取り扱いには慎重な姿勢が求められます。患者様の健康において最も大切なのは、外部の道具や施術者に依存するのではなく、自分の体と向き合うことです。 健康を得るためには、患者様が自分の身体に意識を向け、自らの健康を管理する力を身につけることが重要です。物販の販売により、患者様が施術者に依存させる要因になってしまっては、本来の目的を見失うことになります。
患者様が「先生の言うことは全て正しい」と考え、外部に答えを求めるようになると、自分の体と対話する力を失ってしまいます。これにより、健康の本質である「自分で気づき、学び、行動する力」が養われず、長期的な健康の維持が困難になります。
健康器具や物販の適切な活用
患者様が健康器具やサプリメントを使用する前に、まずはサブラクセーションを取り除き、神経の流れを整える身体のケアが最優先になることが必要です。その上で、健康器具や補助的な商品を取り入れることは、さらなる健康増進につながる可能性があります。
物販を通じて患者様が自分の身体との対話を深められるような指導を心がけましょう。例えば、特定の枕を使ったときにどのように体調が変化するかを記録し、効果を実感してもらうことが大切です。
まとめ
カイロプラクターが物販を取り扱うことは、経営面でのメリットだけでなく、患者様の健康をサポートする可能性を秘めています。しかし、それを行う際には、患者様の個別性を尊重し、依存を生まないよう注意することが不可欠です。物販販売が患者様の健康意識を高め、身体との対話を深める手助けとなるよう、適切な指導とサポートを心がけましょう。