本当に神経は「圧迫」されているのか?|サブラクセーションの本質に迫る

サブラクセーションでは神経に何が起こっているのか?

初めまして。塩川カイロプラクティック副院長、シオカワスクール講師の高島克哉です!

あなたは、「サブラクセーション」と聞くとどんなイメージを持つでしょうか?「神経の圧迫」「神経伝達の異常」「関節の異常」など、様々な考えが浮かぶ方も多いと思います。

特に「神経の圧迫」という表現は多くのカイロプラクターの中で一般的になっています。実際、患者様には伝わりやすくイメージもしやすい説明です。

しかし、考えてみてください。実際に「サブラクセーション=神経圧迫」なのでしょうか?また、もし仮にそうでないとすれば、実際にはどんな言葉が適切なのでしょうか?

今回はそんな「サブラクセーションによって実際に神経にはどんな影響があるのか?」についてお話ししたいと思います。

1. 「神経圧迫」という言葉のイメージ

サブラクセーションを説明するときに「神経が圧迫されています」と言うことがあります。
とても分かりやすい表現ですが、実はこれは少し単純化しすぎた言い方です。

実際には、神経はただ「圧迫」されているわけではなく、

・圧迫

・刺激

・緊張

・伸張
など、いろいろな形で影響を受けています。

まとめて言うなら「神経の干渉」と考えるのが正確です。サブラクセーションは正式には、「脊椎サブラクセーション複合体」と呼ばれるように、様々な要因が複合的に噛み合っているケースが大半を占めます。

2. サブラクセーションが神経に与える影響

背骨の動きが失われたり、関節のバランスが崩れると、周囲の組織に負担がかかります。

・関節の小さなズレ

・筋肉や靭帯の緊張

・炎症やむくみ

・血流の滞り

こうした要因が重なり合って、神経の働きを乱してしまうのです。
つまり「圧迫されたから痛い」のではなく、複合的な要因で神経伝達がスムーズにいかなくなっている、というのが本質です。

3. 症状は「痛み」だけじゃない

神経は体中に張り巡らされ、体のあらゆる機能をコントロールしています。
でも、その中で「痛み」を感じ取る神経はほんの一部にすぎません。

そのためサブラクセーションがあると、

・筋肉が思うように動かない

・内臓の働きが落ちる

・自律神経の乱れ(冷え、睡眠の質の低下など)

・しびれや違和感

といった、痛み以外の不調として現れることも多いのです。

4. 「圧迫」だけでは伝わらない本質

「神経圧迫」という言葉はイメージしやすいですが、それだけではサブラクセーションの本質は伝わりません。

カイロプラクティックで大切にしているのは、

・圧迫だけではなく「干渉」

・痛みではなく「体の機能」

という考え方です。

アジャストメントは、この神経への干渉を取り除き、体の働きを本来の状態に戻すことを目的としています。

5. まとめ

・サブラクセーションは「圧迫」だけではなく、刺激・緊張・伸張など複合的に神経に影響する

・神経干渉は「痛み」だけでなく、自律神経や内臓、筋肉など幅広い機能に現れる

・カイロプラクティックは「神経の圧迫を取る」のではなく「神経の働きを回復させる」ことを目的とする

結論:サブラクセーションで起こるのは「圧迫」だけではなく「干渉」といった複合的なケースが多い。
だからこそカイロプラクティックは、症状にとらわれず 体の機能そのものを回復させるケア なのです。

さらに深く学びたい方へ

今回ご紹介した内容は、カイロプラクティックにおけるほんの一部にすぎません。
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高島 克哉

執筆者高島 克哉

神奈川県川崎市出身。横浜市の整体院に勤務後、世田谷区で開業。自分の治療法に確信が持てず、様々な治療法を模索し多くの講習会に参加。そんな中、偶然塩川雅士D.Cの記事を読んだことをきっかけにカイロプラクティックの持つ無限の可能性に衝撃と感動を覚える。その後塩川カイロプラクティックスクールに参加し、研修を経て正式に入社。現在は治療にあたりながら塩川スクールのインストラクターを担当する。

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